平成11年7月
須賀工業株式会社
近年、環境汚染に伴う水質悪化の影響により、各種設備に用いられる配管の腐食劣化の進行が著しく速まり、技術的にも、社会的にも大きな問題となってきている。
建築設備においては、多種多様な配管材料が、空気調和、給排水衛生、防災設備など、多岐にわたる用途に大量に使用されている。
これらの配管は、いわば文字通りそのビルのライフラインに当たる重要な役割を担うものであり、その機能を長期間にわたり適切且つ安全に維持するためには、「配管の腐食劣化」対応は避けて通れない問題である。
配管腐食問題の解明に当たっては、単に「水質」と「配管材質」の因子のみならず、「継手の構造」、「配管施工法」、「設備の使用条件」など、従来あまり重視されなかった要因にも総合的に取り組み、理論・実験を通して新しい「配管材料及び施工法の選定、評価法の確立」を目指すものである。
金属の腐食現象は、電位の異なる二極の存在のもとで発生するイオン溶出及び電子の移動を伴う電気化学反応−電池作用−であると説明することができる。
腐食電池が形成されるための要因は、金属側によるものと、金属が接する環境の差によるもの、に大別できる。
金属が、その金属イオンを一定濃度含んだ電解質と接するときの金属が示す電位を標準電極電位と呼び、電位が低い金属ほど陽極的となりイオンとなって溶出−腐食しやすい。
水や土壌など電解質に接している鉄の表面には表面状態、組織、環境などの僅かな違いにより微視的な陽極部と陰極部から成る局部電池−ミクロセルが多数形成されている。
これによる腐食をミクロセル腐食といい、比較的穏やかで均一且つ全面的な腐食を引き起こす。
ミクロセル腐食が進行している鉄の表面では、ミクロセルの陽極部電位と陰極部電位の中間の値となる。
この電位は自然電位でありCu/CuSO4電極標準−0.4〜−0.8Vの範囲をとる。
ミクロセル腐食に対して、相対的に自然電位の卑な部分(陽極部Anode)と貴な部分(陰極部Cathode)が巨視的電池−マクロセルを形成して、陰極部の腐食が促進されるものをマクロセル腐食と呼び、次のような特徴を持つ。
代表的なマクロセル腐食として次のようなものがある。
防食技術の基本原理は、腐食反応の防止と抑制である。
| 用途 | 給水 | 給湯 | 排水 | 地中埋設 | 冷却水 |
| 事例写真 |
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| 種別 | 異種金属接触 | 潰食 | 詰まり | マクロセル腐食 | スケール |
| 建物用途 | 事務所 | 教育施設 | 事務所 | − | 事務所 |
| 経年 | 10 | − | 18 | 7 | 16 |
| 材質 | VLP+ 砲金GV |
銅管 | 鋼管 | 鋼管 (防食テープ巻) |
鋼管 |
| 形態 | GV接続部 管端ネジ部欠落 |
内面腐食 ピンホール発生 |
− | 外面局部腐食 | − |
| 構造 | ![]() |
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排水中の 挟雑物、油分の 堆積 |
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水中の溶解物、 冷却水の濃縮 |
| 1次調査 | → | 2次調査 | → | 3次調査 | |||
| ヒアリング | 非破壊による調査 | 抜管による調査 | |||||
| 管内視鏡 | 超音波厚み計 | 管内外面の観察 | 肉厚測定 | 化学分析 | |||
| 図面・記録の 確認 漏水発生状況 補修履歴 外観目視点検 等 |
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酸洗い処理後 直管部肉厚の測定 |
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酸洗い処理後 資料の劣化状況の 観察並びに撮影 |
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